「太陽光パネルはもう古い」「売電(電気の買取)価格が下がったからやめておいた方がいい」
——そう誤解し検討機会を自ら無くしてしまっている方は少なくありません。

太陽光パネルが家庭用として世に登場し、普及が本格化したのが2012年からとなります。同年7月に発電した電気の固定価格買取制度(FIT)が導入され、住宅・事業者が発電した余剰電力を高価格で電力会社が買い取る仕組みが始まり、その政策を機に2013〜2014年で年間追加量が爆発的に増加しました。その後も設置数は増え続け、2025年現在では日本の太陽光時代が確立したと言える状況になっています。

普及からわずか10年ほどしか経っていないわけですが、普及しはじめの時が爆発的であったことでブームが去った感覚のように感じている方がほとんどではないでしょうか? ですが、実際には世界的にも日本国内でも太陽光パネルの導入は加速しており、むしろ“今だからこそ”検討すべき状況になっています。

また、電気料金は年々上がり、台風や地震などの災害による停電リスクもゼロではなく、生活に欠かせない電気を「自宅で生み出す」選択肢は、もはや特別な人のものではありません。

一方で、売電(余った電気を電力会社が買い取ること)の価格も以前に比べて落ちているとも聞くし、本当に費用面でメリットがあるの?とお考えの方も多いかと思います。本記事がひとつの参考になりますと幸いです。

知っているようで知らない、今さら聞けない電気代高騰の理由、そして世界的にも太陽光発電が促進される理由とは?

近年、電気代が高騰していますが、そもそもなぜ電気代は高くなってしまったのでしょうか。
これには、ロシア・ウクライナの問題と、世界的なエネルギー情勢が電気代高騰と大きく関係しています。要点だけさらっとおさらいしてみましょう。

フェーズ1:きっかけ
2022年にロシアがウクライナ侵攻を開始

ロシアは天然ガス輸出世界1位、石油輸出もサウジアラビアに次ぐ規模を誇るエネルギー大国

特にヨーロッパは天然ガスの約4割をロシアから輸入することでEUの発電・暖房のライフラインを支えていた

欧米諸国側のロシアへの経済制裁として、エネルギー調達を縮小・停止する動きが広がる

ロシア側も制裁への対抗措置としてヨーロッパ向けのガス供給量を制限
「供給が減る」=「価格が上がる」の典型的な需給ショックが起こる

天然ガスの国際価格(LNG)は2022年に史上最高水準を記録し、石油・石炭価格も連動して上昇

フェーズ2:世界市場への連鎖反応
ヨーロッパがロシア産エネルギーを減らした結果、中東・アフリカ・アジアからのLNG調達競争が激化

日本も発電燃料の多くを輸入に頼っているため、調達コストが跳ね上がる

電力会社は高値で燃料を買わざるを得ず、そのコストが家庭の電気料金に転嫁される形で上昇

さらに、日本円は急激に円安(1ドル=150円前後)になり
輸入エネルギーの代金をドルで支払うため、為替の影響として円安はそのまま電気代高騰に追い打ち

フェーズ3:世界が再エネシフトを加速
こうした経験から、EUをはじめ「ロシアに依存しないエネルギー政策」へ大きく舵を切る

太陽光発電の導入が激増

2024年、EUではついに太陽光発電が石炭火力を超える

フェーズ4:費用面での導入ハードル下落
EUが太陽光発電に舵を切ったことを受け、生産工場が製造ラインを大幅増築

需要拡大を見越し大量生産

供給量が増えたことで価格が下落  ← 今ココ

背景まとめ
・ウクライナ危機をきっかけに、ロシア産燃料依存から脱却するため、再エネへのシフトは加速
・各国が太陽光発電に巨額の投資を注ぎ、世界の潮流は完全に再エネへシフト
・技術革新や価格競争も活性化し、費用面においての導入ハードルが下がっている

さらなる電気代高騰を見据えて、太陽光発電の導入を検討されている方にとっては今はお得だと言えます。

太陽光発電が周りで加速的に導入されていても、自身のご自宅に設置すべきかは人それぞれです。
導入には費用が掛かりますが、電気代を削減するために機器や工事に対してそれ以上の費用を掛けては本末転倒となります。そのため、導入費用を回収できる算段がたつのか?といった点が検討をするうえで大切になります。設置の必要性や費用対効果があるかを確認・把握することからはじめ、誰にでも設置を勧める業者には気をつけましょう。

以下は導入をお考えの方で本当に必要かを簡単に確認するチェックリストです。
リストのうち、アナタはいくつ当てはまりますか?

  • 一軒家に住んでいて、電気代が月3万円を超えることがある
  • 昼間も家にいて、在宅勤務・主婦(主夫)業・シニア生活で電気をよく使う
  • ペットを飼っていて留守中でもエアコンはフル稼働
  • 夜の時間帯もエアコン/料理/照明/テレビ/スマホ充電などとにかく電気使用が多い
  • 電気代の今後の値上がりが不安
  • 災害や停電のニュースを見て「うちも停電したらどうなる?」と心配になる


1つでもあてはまる場合は、検討を進めて実際にシミュレーションを出してもらってから精査をするなど、コマを進めてもよいでしょう。特に一つ目に該当する方や、それ以上の金額の場合は費用回収の点でより費用対効果を感じやすいです。

太陽光パネルだけでも昼間の電気代を抑える効果がありますが、問題は夕方以降。多くのご家庭では一日の電力使用のピークは夕方から夜にかけて訪れます。この時間帯は太陽が沈み、発電は止まります。そこで登場するのが蓄電池です。

昼間に発電した電気を蓄電池にためておけば、夜のピーク時間帯にそれを使えます。つまり「昼は太陽光パネル、夜は蓄電池」という二段構えで、電気代の高い時間帯を電力会社からは買わずに、“自家発電の電気”でまかなえるのです。

在宅勤務で昼間にPCや空調を使う方、夕食時にIH・レンジ・食洗機を使う方、夜に家族でリビングに集まる方——どのケースでも「電気を買う時間・量」を減らせることが、大きな節約につながります。

また、蓄電池は発電した電気をためておけることにあるため、台風や地震などの災害時に周りが停電になっていたとしても、自動で蓄電池からの供給モードに切り替えられるため、冷蔵庫の中を全て廃棄することもなければ、暑い・寒い中で耐え過ごすといったこともないため、そういった不安はなく快適でいつもどおりの生活を送れます。都市部に比べ停電復旧が遅いエリアではより強い味方になると言えるでしょう。(蓄電池についてはこちらの記事をご覧ください)

「リビングタイム」とは、家族や同居人がリビングに集まる夕方から夜の時間帯を指します。
照明・テレビ・エアコン・調理家電・冷蔵庫・スマホやPCの充電…と、あらゆる家電が同時に稼働することで、家庭内の最大電力ピークがこの時間帯に集中するのです。

お子様がいる家庭はもちろん、夫婦だけの世帯でも、単身者でも同じ。夜に快適に過ごそうとすれば自然と電力負荷は高まります。だからこそ、太陽光単体よりも「太陽光+蓄電池」の組み合わせが効果的なのです。

FIT(固定価格買取制度)という電気を買い取る制度があることはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、近年は「売電単価が下がっている」と耳にして、費用的なメリットが薄れてきたからやめておこうと考える方がいらっしゃいますが、それは半分の情報だけで誤った判断をしてしまっている可能性があります。

売電単価の下落が何を意味するのか?までをご存知の方は多くはありません。

そもそもFITとは、要約すると余った電気を買い取る金額を一定期間、固定で保証してくれる制度です。(住宅用:10kW未満の場合は10年)
エネルギー資源不足の問題から、自家発電・自家消費にシフトをしていきたい国として、費用面での負担軽減の援助をすることで、より広く普及をするのが国の思惑です。売電(買取)の価格は確かに以前は高く買い取ってくれていましたが、それはその時期の導入費用もそれにあわせて高かったからなのです。

ここまで言うともうお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、以前に比べて下がったのは売電単価だけではなく、技術革新や設置工事の効率化も進んでいることで、導入に掛かる費用が以前よりも下がっているため、近年の相場にあわせて売電単価が下がっているというわけです。
FITに関してはこちらの記事をご覧ください)

また、買取価格以上に電力会社から買っている(買っていた)電気が高いため、電力会社へ売るより、『高い電気を買わずに済むよう自家消費をすること』の方が、今ははるかにメリットがある状態ですので、この点とあわせて、FITの売電(買取価格)価格の下落がさほど問題でない点もお分かりいただけるのではないでしょうか。


「太陽光パネルは終わった」というのは、導入費用面でのハードルが下がっていることは無視し、過去の売電モデルを基準にした誤解であり、太陽光発電へのシフトはまだはじまったばかりなのです。

多くの方が未経験ですので、「そもそも我が家にはパネルはどのくらい載せればいいの?」という疑問は当然です。

一般的に、最低でも4kW以上の容量がないと投資回収は難しいと言われます。
一軒家で月3万円以上の電気代を払っている家庭なら、5〜7kW程度を目安にすると現実的です。

屋根のスペースが許すなら「載せられるだけのせる」のが基本ですが、費用対効果を考えるなら、「電気代がいくらか」「夜の使用量がどれくらいか」に応じて最適容量を検討すべきです。

設置する方角や接地面角度などの日当たりの条件によって、各ご家庭でのシミュレーションによる最適解は異なるため、発電予想量・使用量・パネル枚数・価格、蓄電池有無などは販売施工会社に相談し、適切な見積りを取得しましょう。

太陽光パネルはどうせすぐ壊れるのでしょう?
➡平均的にどのメーカーも20年使えるとし、長いところでは40年の出力保証も!
 (iPhoneが2年と言われるなか驚異的な年数)

太陽光パネルは本当に必ず元が取れるの?
➡ご家庭で発電できる量(パネルが何枚載せれるか)がどれだけあるか?
 自家消費量がどれぐらいなのか?
 導入にいくら要したか?
これらのバランスで費用回収具合が決まりますので、アンバランスだと回収できないこともあります。ご家庭にあった適切な設置のうえ収支算段をすることが大切です。

蓄電池がないと売電はできないの?
➡蓄電池が無くても売電は可能です。ただ、電気代高騰の現状です。
つくった電気を売る価格 < 電力会社から高く買う
これだと本末転倒なので避けたいですよね?電気代が高い現状では正しくは以下が理想の形です。

昼 = 太陽光パネルで発電した電気を使用
夜 = 昼に発電した電気をためていた分から使用(電力会社からは高いので一切買わない)

自家消費で使いきれる分(発電量は一定ではないためやや多くなる分が理想)を計算のうえ
発電量を確保できるようにパネルを搭載し、余ったら売電する

清掃などのお手入れが面倒そう…
➡キレイにしておくことに越したことはないですが、パネル自体がコーティングされていて大抵の汚れは、雨の多い沖縄ではすぐに流れ落ちます。なのでわざわざ屋根に登って清掃するというこをしないでいいようになっています。(登って清掃するにしても危ないので専門業者に任せましょう)

初期費用ゼロ(手出し0円)の太陽光リース と 購入(一括orローン)はどちらがいいの?
➡太陽光発電システムを導入0が円でできる代わりにリース代としてお支払いしていくか
 通常購入し最初から自身の所有とするか

売電収益が提供元になるなどの違いもあるかと思いますが、違いとしては
【レンタカーやカーシェア/自家用車】、【賃貸/持ち家】のように、所有権やお支払い能力によるところで、一概にどちらがいいかといったラインはなく、どちらがご自身にあっているのかは、それぞれの状況にあわせて選択することとなります。

FIT(固定価格買取制度)の「初期投資支援スキーム」って何?
➡10年の間、固定額で買い取りをする従来のFITに対し、初期投資の費用をより早い段階で回収できるよう、比重を変えて最初の4年間の金額を上げたパターンで買い取ってもらうイメージです。
こちらの記事をご参考ください)

どれを買っても同じなのでは?
➡パネルやパワーコンディショナ(通称:パワコン…発電した電気を使えるように変換する機械)、蓄電池は種類がたくさんあり同じではありません。
よくあるのが総額だけで比べてしまう方が多いです。パネルひとつとっても、出力性能の違いもあれば、保証期間の違い、大きさ(これにより搭載可能枚数が左右されます)、そして値段…と色々な構成要素があります。

車を購入する際、決して総額だけで安い車に決める方は少ないはずです。性能や用途などが金額に反映されているはずで、それぞれのバランスをみて決定していることでしょう。それにもかかわらず、太陽光発電システムとなれば総額でしか判断しようとしないのは、単純に知らない(知らされていない)からではないでしょうか?

安い買い物ではありませんし長く使用いただく設備ですので、しっかり説明いただけるプロから話を聞いて納得してからご判断されるとをオススメいたします。

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沖縄で太陽光発電・蓄電池システム・ソーラーカーポートの販売・設置・電力申請・メンテナンスサービスを【すべて自社対応】している「エネフルティーダ」で専任のエコプランナーからお話を聞いてみませんか??

施工実績も多く、内地企業では対応できないフットワークで安心対応!
また、電気とも密接な関係にある消防設備にも精通しているスタッフが在籍しているため、民泊施設など、消防申請のいる建物などへの設置や、容量の大きいケースなどにもさまざま対応可能!

ご相談・無料見積もりもお気軽にお問い合わせいただけます。

太陽光発電のエネフルティーダ

世界的な潮流や実際にあるエネルギーや脱炭素の問題。電気代が高い背景と国の思惑。これらの一歩引いた視点から考える太陽光発電についていかがでしたか?

時代は変わり、売って収益化のための太陽光発電から、自家消費で使って得する太陽光発電へ。FITの下落「だけ」を見て「損」と判断するのは捉え方の解像度が荒く、現在の最適解を見落としている可能性が高いです。

導入を迷っている時間は、そのまま毎月の高い電気代を払い続ける時間でもあります。もし検討をしているようでしたら、一度見積りやシミュレーションを依頼し、我が家には合わないとなるようでしたらお断りをしたらいいだけなのです。

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